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自分の納得のいくまで説明を聞いて、それから初めて手術となりますが、手術をする前にしておいた方がいい事があります。
どんな手術をするかにもよりますが、やはり程度の差はあってもわきの下を切ることには変わりがないので、手術をしてしまうとある程度の期間は腕を上に上げたり、力を入れたりすることが出来ません。
ですから、おうちのそうじや買い物など、手術をして帰ってきてもあまり動かさずに済むようにしておきましょう。
お風呂も病院やクリニックの方針にもよりますが、抜糸までは入れないと考えておいた方がいいと思います。
また、うでがあまり上がらなくなるので、前あきボタンのブラウスなどを用意して着替えも楽にできるように考えておいてください。
わき毛をそっておく、事前に薬を飲んでおくなどお医者様の指示は必ず守ってから手術に入ってください。
肝心の手術の費用ですが、これは本当にさまざまです。
総合病院などではわきがの手術は保険がきいて4万円台から出来るのに対し、美容整形外科の手術では90万円以上かかるところもあります。
もちろんわきがの程度や手術の方法、術部の範囲の大きさなどによってその費用は変わってきます。
同じ手術でも、最新式機械で行う場合は高かったりするのかもしれませんね。
わきがの手術は色々ありますが、基本的に簡単に狭い範囲の手術は安く、広範囲で手術の方法も難しく長くかかると費用は高くなると思って間違いないようです。
その人その人のわきがの程度にもよりますが、簡単に安く出来るという事は逆に言うとアポクリン腺やエクリン腺の取り残しなどで臭いがとり切れない、又は再発をしてしまう、という可能性もあります。また程度に関係なく高い設定をしている可能性もないわけではないでしょう。
いずれにしても後から聞いてなかった、ということがないように手術費用がいくらかかるのかを確かめて下さい。
高いと感じても実際の手術を行うための説明で納得できればそれが一番の方法でしょうし、安いからいいやと安易に決めて再発や取り残しがあったりすることも考えられるので、手術の方法が決まったら即決しないで色々見たり聞いたりして相場を確かめるのも1つの手かもしれませんね。
わきがの手術には色々なものがあります。自分が考えている手術の方法と同じなのか、それとも違うのか、どんな方法でどうやって手術するのかをきちんと確認をすることが必要ですね。
もしも詳しい説明がなかったり、手術の方法をあいまいにしか教えてくれないようなところだとしたら、後悔する前に止めるという事も頭に入れながら話を聞いてください。
お医者様側も患者になる人の病歴やわきがの状態、どんな風に悩んでいるのかを詳しく知る必要があるので、悩んでいる事や身体の状態などを隠さずに話すようにしてください。
特に、現在飲んでいる薬があればその種類を、アレルギーの有り無しなどによって使う薬や治療方法が変わってくることがあるので忘れずに伝えるようにしてください。
インフォームド･コンセントを行うことによって手術を受ける側も行う側もお互いの信頼感が生まれた方が、よりよい手術になるのは間違いのないことですから、思っていることは全て話し疑問のないようにしっかりと説明を受けるようにしてください。
私たちの身体の中の遺伝子というものは、2つずつの対になっています。これを対立遺伝子といいます。
この遺伝子の命令で体の特徴を作るのですが、対になった2つが一度に出ることはありません。どちらか1つが特徴として出やすいのです。
この出やすい方を優性遺伝といいます。
反対に劣性遺伝とは体に特徴が出ないものをいいます。といっても表面に現れないだけで、体の中には遺伝子として残されています。
例えば優性遺伝だけを考えると両親の片方がわきがでもう片方が非わきがの遺伝子をもっていても、遺伝の確率は100%になるはずですが、実際には50%になります。ですから優性遺伝といっても必ず遺伝するというわけではないのです。
言葉にすると難しいのですが、
わきがである（100%わきがの優性遺伝で）
わきがである（50%わきが・50%非わきがの劣性遺伝をもっている）
わきがでない（50％ずつわきが・非わきがの両方を持っていて非わきがの遺伝子が特徴として出現）
わきがでない（わきがの遺伝子は持っていない）
というように表面上はわきがであっても、体の中の遺伝子はこのように分かれているし、逆に非わきがが表面に現れていても遺伝子上はわきがの優性遺伝を持っているということも考えられるのです。
100%わきがの優性遺伝子ということは、2つの対になっている遺伝子が両方ともわきがということなので、100%わきがのひと同士が子供を作ると、その子供も100%の遺伝子を受け継ぐということになります。
わきがの手術をしてもらうのに色々なところがありますが、それらが全てちゃんとした手術を行ってくれるか、手術の腕はどうなのか、アフターフォローは万全か、など不安な要素を取り除いてから望みたいものです。私たちからみたら、お医者様全てがいいうでと資格を持っていると思いたいですが、実際はあやふやなところもああるので注意が必要です。
確実とはいえませんが、ある程度の情報をカウンセリングで手に入れることができます。
１．日本美容外科学会の専門医であるか。もしくは形成外科の専門医であるか。
２．わきがの手術を自信持ってやれるまでの数をこなし、経験をこなしているか。
３．医師そのものが経験のなさそうな若さ、もしくは精密な手術が行えそうな年齢か。
４．病院やクリニックがわきがの認定治療医の資格があるか
わきがの手術に限ったことではありませんが、手術をして欲しい部分のことを専門にやっているお医者様でないと、何度もやり直したり、傷が大きく残ったりといったトラブルが出てきてしまう可能性があります。
そういったトラブルを避けるためにも最低限の情報は入手してから手術の決心をして下さい。
わきがと耳あかと一見全く違うものを比べて遺伝が分かるというのは不思議ですが、実はわきがにも耳あかにも遺伝に関して同じような法則が当てはまります。
耳あかを調べてみて、濡れている耳あかを「軟性耳あか」乾いているものを「乾性耳あか」といいますが
日本人には乾いたほうの「乾性耳あか」の人が多いのです。
わきがのひとの耳あかを観察すると、殆どの人は耳あかが濡れています。耳あかの遺伝は「完全優勢遺伝」といって遺伝性が大変高く、両親とも濡れた耳あかの親からは、乾いた耳あかの子供が生まれることは殆どありません。
このことからも、わきがで耳あかが濡れている人は、親からの遺伝であるという事が分かります。
では、何故わきがの人の耳あかが濡れているのでしょう？
実はわきの下にも耳の中にもわきがのにおいの素となるアポクリン腺という汗腺があり、わきが体質の人はここから出る汗が活発になり、粘膜性の酸化した汗を出してしまい、それがわきが臭となってにおってくるのです。耳の中からにおいがするほど多くのアポクリン腺があるわけではないですが、活発にでた汗や皮脂が耳あかを濡らしてしまうのです。
わきがは体質的なものがほとんどであり、それは、親などからの遺伝がほとんどです。
もちらん、両親がわきがでなくても、なる場合もありますが、
その場合は、祖父母や親戚に、わきがの人がいる可能性が高いのです。
人間は、両親が持っている形質をＤＮＡで受け継ぎ遺伝していきますが、その中にも受け継ぐものに法則があり、優性遺伝、劣勢遺伝、伴性劣勢遺伝、というような法則で親が持っているものがどのくらい遺伝するかが決められていきます。
優性遺伝というのが一番親の持っている形質をそのまま受け継ぐ形の遺伝になりますが、わきがはこの優性遺伝によって、子供に受け継がれていきます。
ですので、親がわきがであったら高い確率で子供もわきがになる、ということが分かってきました。
優性遺伝というのは、男女関係なく受け継がれていくので、わきがをもっている親の子のうちで、男と女どちらにでも同じ確率で遺伝していきます。
その割合は、両親のうち片親だけがわきがをもっている場合は、子供に約50％の確率で遺伝していきます。
両親ともわきがだった場合は、子供に遺伝する確率は80％になります。
これは、ＤＮＡの中に含まれる染色体の優性遺伝になるので、わきがは遺伝のみで発生するのではなく、両親ともわきがではない子供からもわきがを持っている人がいます。
わきがの人をその割合で見てみると、遺伝によるわきがが80％、遺伝性ではないわきがが20％になっています。
わきの下によく起こる疾患として、わき毛にへばりつく黄菌毛がまずあげられます。
わきの下が多汗により汗をかくと、わき毛黄褐色または黄紅色や黒灰色をした垢のようなものがわき毛に沿ってへばりつきます。これが黄菌毛です。
爪でこそぎ取ったり、ピンセットなどでしごいたりすると取れますが、石鹸で洗ってもなかなか落ちてくれません。
発生理由や病原菌が特定できていないのですが、発生原因は腋窩多汗症が原因によるものだろうと言われています。
黄菌毛はわきがではない人からも発見されますが、わきがの患者だけを調べると、わきが患者の約18%ほどにこの疾患がみられます。
女性の場合はわき毛をそっている人がほとんどなので、この現象はみられません。
汗をかいて汗が塩の結晶のようになることもありますが、この場合は石鹸などで洗い流す事が出来るので、お風呂に入ってきれいに拭いた後にこのような症状が見られると、黄菌毛におかされている可能性があります。
わきがとその他の多汗症とは明確に区別をつけるのは難しいです。なぜならわきがの人の多くは多汗症を伴っているので、どこまでの症状からこうだ、という明確な線引きが出来ないからです。
しかし、あえて判別をしてみるとこのようになります。
１．耳あかが乾いていてわきの下に多量の汗をかくが、においのないもの 『腋窩多汗症』
２．耳あかは濡れていてわきの下に多量の汗をかくが、においのないもの 『腋窩多汗症』のわきが体質
３．耳あかが濡れていてわきの下に量にかかわらず汗をかき、わきが臭を伴うもの 『腋臭症』
日本人の多くの人の耳あかが乾いていて、体臭が少ないことを考えると、まず耳あかが濡れていることで自分はややわきが体質だなと考える事ができ、そういう人は普段はあまりにおわなくても、ストレスや精神的なもの、大量の汗などをかいた後などに多少のわきが臭がすることもあるかもしれませんが、ハッキリと『腋窩症』とまでは言えません。
『腋窩症』の人は、その汗が少量であっても汗の分泌物がわきが臭を伴います。
汗の量が多い多汗症や、粘り気のある汗をだすわきがのひとはそうでない人よりも湿疹状態になることがよくあります。
太った人などは特に皮膚が交互に摩擦されるので、こすれた部分が赤くなりかゆくなってきます。皮膚が薄くむけたようになりそのうち痛くなってしまうこともあります。プツプツとしたあせもが化膿してかぶれる事をあせものより といいます。
また、痒いから・痛いからとその部分に薬をつけることによって、臭いの発生原因になったり、他の疾患の原因になったりもします。
色々な細菌によってかぶれてしまい、ひどい場合にはその部分がかぶれて黒ずんでしまうこともあります。
制汗剤や殺菌剤・抗菌剤を使っている人もあまり頻繁に付けていると、かぶれの原因になりますし、その部分が黒ずんでくることもままあるので、注意が必要です。
わきがに直接は関係がありませんが、わきが臭を強くしたり、多汗症が原因で起こる疾病がいくつかあります。
１．化膿性汗腺炎
あせもの一種です。アポクリン腺からでてくる分泌物はとても粘りがあるもので、それが角栓となってアポクリン腺の出口をふさいでしまいます。
そこへブドウ球菌などの感染が加わってしまいます。
わきの下に痛みをともなうシコリができてしまい、なかなか治らない疾病です。
２．フォックス・フォーダイス病
女性に特有の病気でアポクリン腺のある場所におこり、主に思春期に発生します。
これはアポクリン汗疹といわれ、アポクリン腺から出るねばりのある汗がわきの下に溜まってきておこってしまいます。
３．腫瘍
アポクリン腺に発生する腫瘍は4種類あります。
それらは、アポクリン母斑・アポクリン汗管のう腫・乳頭性腺汗腫・アポクリン腺癌です。
わきがとはあまり関係がありませんが、アポクリン腺にも腫瘍ができるので
覚えておくといいものです。
わきがで悩んでいる人が決心をして医者に行っても「この程度で手術はしない」「考えすぎだ」「考えすぎるから余計に汗が出るんだ」などと言われる事が昔は大半だったそうです。わきがの手術方法も確実なものはまだ出てきていませんし、わきがに悩む人はにおいだけでなく、多汗や汗の染みや精神的なものなど色々な症状に悩まされているので、医者にヒトコトで説明できないと言う事もあると思います。
最近では、わきがに悩む人のためのクリニックや病院もできていますが、仮に医者本人がわきがだとしても、その医者の症状と病院を訪れる患者との症状は一緒ではないので、その人にとってよりよい方法を見つけなければなりません。人間同士が心を通わせるのは難しい事なのに、わきがという最も話をしづらい事柄を100%伝える事は無理ではないでしょうか。
そういった意味で、まだまだわきがに悩む人と医者との距離は大きく開いているのではないでしょうか。
わきがは体臭の1つですが、臭いの元となるものの1つにアポクリン腺から出る汗が関係しています。アポクリン腺は毛根があるところに必ずある皮脂腺と同じところから汗が出ます。
逆に言うとアポクリン腺が多く発達している人は、毛が濃いということがいえます。
つまり、髪の毛や眉毛が濃い人はわきがになる要素がある、ということも考えられるのではないでしょうか。
髪の毛は、わきがの臭いとは違いますが、かなりの臭いがあります。毛のあるところには皮脂腺があるので、そこからの分泌物とアポクリン腺で臭うのですね。
ただ髪の毛は、頭皮の皮脂腺が多く分泌物が多いとあまり活動が出来なくなり、薄くなる傾向があります。薄くなってしまうと臭いがなくなってくるので、わきがほど臭いとは言われないということになります。
肉類に含まれる動物油はコレステロール値をあげ、脂肪酸、中性脂肪も蓄積してしまうものですが、これらの事を飽和脂肪酸といい身体の中にどんどん溜まっていってしまいます。
一方、野植物などから抽出される植物油は不飽和脂肪酸といい、逆に体内に溜まっていった悪玉コレステロールを取り除いてくれ、脂肪を付くのも防いでくれるという優れたものです。
名前を聞いたことがあると思いますが、不飽和脂肪酸には、リノール酸･リノレン酸･オイレン酸などがあります。特にリノール酸は肝臓に付く脂肪を抑えてくれるという働きをしてくれます。
但し、植物油も必要以上に摂りすぎると、身体の中で分解されてしまい、過酸化脂質というものになってしまいます。これは悪臭を放つもので、脇が臭の原因にもなってしまいます。
動物油は摂る必要がないくらいで、植物油を適度に摂取するという風に考えてください。
私たちが現在食べている食事は、本当にバラエティに富んでいます。世界中のどんな食べ物でも手に入れることが出来て、種類も調理法も様々なものがあります。
実は、このバラエティに富んだ食生活の特に肉類がわきがにとってマイナスな要因になってしまうのです。
欧米型食生活、とはいいますが、日本でももはや昔のような魚や野菜中心の食卓というのはあまりなく、限りなく欧米型に近い食生活を送り始めている事が、わきがの患者数が増えている原因のひとつです。
肉類は上質なたんぱく質を摂るのにとても有効な食べ物ですが、肉の中にはたくさんの脂肪分が入っています。卵もそこから雛が生まれるくらいですから
たくさんの栄養素が入っています。牛乳、チーズなども脂肪分の多い食べ物ですね。これらの食べ物を摂り過ぎると体の中にエネルギーとして蓄えられる以上のものが残ってしまいます。けれども体は何とかしようと考えるので、体内の色々なところに分解して減らそうとします。体の脂肪になるのもそうですし、血液中に溶かしてしまい、それが体中巡ってしまっています。
簡単な図にするとこのような感じです。
肉を食べる→必要な栄養が吸収される→過剰に残ったものが各種の脂肪酸･中性脂肪･コレステロールなどに分解され血液中に流される→
皮下脂肪に蓄積されていく→皮下脂肪の中にあるアポクリン腺･皮脂腺からわきの下に噴出してくる→わきが臭になる
肉類や乳製品などを食べると、体内で脂肪が血液に溶け出していきます。
余分な脂肪は外にだそうとするので、汗腺であるアポクリン腺や皮脂腺から分泌物として排出します。この分泌物の中に臭いの元となる、脂肪酸や細菌の繁殖によるドロドロの分泌物が含まれてしまうのです。
現代人は昔の人に比べて肉食、洋食中心の食事になっています。そのため、本来体臭が少なかった日本人も徐々に体臭が強くなってきました。わきがは体臭の一部なので、外国人が体臭が強いのをみても分かるとおり、肉類、洋食中心の生活をしている人は脂肪分が体に溜まりやすくなり、いらなくなった脂肪分を体外にだそうとしてしまうのです。
わきがの人は一般の人よりも肉類を多く食べている、という研究発表もあります。
わきがの臭いの元となるアポクリン腺には、脂肪やたんぱく質などのドロドロした汗にさせるものの他に、鉄分や色素が含まれています。
その汗が衣類に染みると色の付いた汗なのですぐに分かります。多くは黄色い色ですが、中には赤褐色や緑色、黒色の人もいます。
運動などをしたときにもたくさん汗をかき、衣類にやや黄色い色がつくことがありますが、この場合の色ははっきりとしていなくて、全体的ににじんだようになりますが、わきがの人の出す汗の場合は、汗の量にかかわらず色の付いているところとそうでないところの境い目はハッキリしている事が多いです。
こういったハッキリした色の付く汗が衣類にしみこむ人はわきが体質であるといえるのではないでしょうか。
耳の中にもアポクリン腺は発達しています。日本人は耳あかが乾いている人が多いのですが、アポクリン腺が発達すると耳の中のアポクリン腺がねばねばの分泌物をだすので、耳のなかが湿ってしまい、耳あかも湿ってきます。
わきがの人の耳あかを調べると殆どの人が湿っています。少し難しいのですが、耳あかは優性遺伝なので、耳あかが乾いた人からは湿った耳あかの人は生まれません。
アポクリン腺の発達で耳あかが湿るということは、同じアポクリン腺が原因のわきがである可能性も高くなるということです。なぜなら、わきがも耳あかと同じように優性遺伝だからです。
逆に言うとかわいた耳あかのひとにはわきがは殆どいないということで、わきがではない人の耳あかは乾いている、ということになります。
毛根のあるところには必ず皮脂腺があり、アポクリン腺と皮脂腺は毛穴から体外に分泌物を放出するので、毛の多い人はそれだけ臭いのもとになるアポクリン腺と皮脂腺が多くあるという事になります。
また数だけでなく、その毛穴の太さも重要な要素になります。
わきがの人はわきの下にどれくらいの毛が生えていて、どのくらいの太さなのかによって重症度も決まってきます。
わきの下以外の体毛も同じくアポクリン腺や皮脂腺があるので体臭はそこからも臭ってきます。
そう言う事から見ても、体毛が濃く多い人は、それだけ皮脂腺やアポクリン腺が多く、わきがの可能性も高くなるということになります。
また毛深いとどうしても体に熱をこもらせてしまうために、汗を出そうと体が命令します。その時に悪い汗がでてしまうと臭いが出てきてしまいます。
女性には月経というものがありますから、すそわきがはその時には強くなる傾向があります。ただ、月経の時に何かホルモンの関係などで強くなるわけではなく、月経による膣からの出血と汗が混じって強く感じるのだと思います。
妊娠に関しては、妊娠6ヶ月頃になるとアポクリン腺からの分泌物が多くなるようなので、やや臭いは強くなるようです。お産の頃をピークにお産が終わるとまたもとの状態になることを考えても、何らかのホルモンの影響でアポクリン腺からの分泌物が多くなるようですが、原因はハッキリとは分からないようです。
月経の時も妊娠の時も、普段より膣からの分泌物が多くなるので、普段よりも蒸れやすく細菌の繁殖も盛んになってしまうのでしょう。
気をつけて清潔にしておくしか方法はないようです。
わきがは優性遺伝によって受け継がれていくので、両親がわきがであればかなりの確率でわきがの要素を持っていると思います。
両親のどちらかがわきがであった場合は50%、両親ともわきであった場合は75%以上でわきがは優性遺伝します。
兄弟姉妹がそうであった場合も、両親がわきがであることは、間違いないようです。
家族にわきがの人がいない場合も、祖父・祖母などがわきがを持っていたら、遺伝子の中に要素が含まれていることになります。
優性遺伝といっても、遺伝子の中で出やすいものが優性遺伝といわれているだけなので、要素を持っていても表面に現れないことももちろんあるからです。
人間はどんなにおいでも慣れるものなので、生まれたときからそのにおいを嗅いでいたら自分が同じにおいになっても分からないということもあります。
すそわきがはわきがではない人にはありませんので、わきがになっている人の中でその割合がどれくらいかというと、１００人に１人の割合だと言われています。女性は月経や妊娠の関係もあり、男女比は女性の方が多いです。
また圧倒的に病院に相談しに行ったりするのも女性の割合の方が多いです。
けれども、人数的にはわきがの人の1%ほどの人数しかいませんのでそれほど多いというわけではありません。
またわきがを持っていて、すそわきがになっている人もわきがほど臭いが強くないものです。わきがが強く臭うからすそわきがも同じだけ強いということは決してありません。なぜならわきの下ほどアポクリン腺が発達していないからです。
エクリン腺の汗の量は変わらないとしてもアポクリン腺が少なければ
それだけ臭いの元は少ないという事なので、安心していいと思います。
わきの下にわきが臭がするように、陰部にもアポクリン腺が発達していて毛の生えているところにはもれなく皮脂腺もあるために、陰部がわきが臭を放ってしまう人がいます。これが「すそわきが」です。
医学的には「外陰部臭症」といいます。これは「腋臭症」の体質の人の一部に見られるもので、わきがの人が併発します。
つまり、わきがでなければすそわきがになることはありません。またわきがである人が必ずすそわきがになってしまう、ということでもありません。
すそわきがになる確率は男女の差はありませんが、においの悩みを訴える人は圧倒的に女性が多いです。
陰毛があって、アポクリン腺･皮脂腺があることは、男女とも同じなのですが、女性には月経や妊娠などの影響で外陰部が湿度が高く、より細菌などの繁殖を助けやすい場所ということもあります。
本来は、魅惑的な意味合いを持つフェロモンを出している、という事になるのですが人間が発達する段階でそういうものは必要なくなり、わきの下のわきがと同じく特別視されてしまっています。
日本人は全体的に体臭が薄い人種といわれています。
例えば黒人系の人はほぼ100%が強い体臭をもち、わきがだといえるでしょう。
欧米人の80%もわきが臭があり、それほど強いにおいではなくともほとんどの人が強い体臭を持っています。
反対に、中国大陸に住んでいる人々は日本人よりももっと体臭がなく、わきがのひとも殆どいないようです。
現在の日本でのわきがの割合ですが、統計的にいうと全ての人の100人に1人がわきが臭があるといわれています。これは、遺伝によるものも遺伝ではないものも含めた割合です。
これを多いと感じるか少ないと感じるかはその人によると思いますが、日本でも食生活が肉食中心になってきてからわきがの人が増えてきたと考えると、わきがになる人の割合はこの先も増えていくのではないかと考えられますね。
すそわきがではひどいものでどうにもならない限り手術は出来るだけ避けています。
わきの下よりもデリケートな部分なので、出来るだけ薬などの対外的な治療をすることになります。わきがに比べて臭いが多くない人が殆どということもあります。
薬を使う場合も、デリケートな部分なのを考慮してごく軽いものから治療していきます。
病院などで処方してもらうのが一番ですが、外陰部専用の塗り薬やスプレー式のものなどが数種類市販薬として販売されています。
わきがもそうですが、できるだけ清潔にし、アポクリン腺や皮脂腺からの分泌物をなるべく出さないような食生活をしていくことが、すそわきがを軽減させることになります。
まちがってもわきが用の外用薬などをすそわきがに使うようなことはしないで下さい。
また、女性は膣からの分泌物や月経のときのにおいなどをすそわきがと勘違いしている人も多いと思われますので、それは自然現象として極当たり前なのだ、というのを理解してください。
わきがのことを日本では医学的には「腋臭症」といいます。
日本では、というのは外国ではわきがは特別な病気とまでは思われていないので、「腋窩多汗症」つまり、わきのしたに大量の汗が出る病気の中の1つにすぎないからです。
ですから、日本で「腋臭症」といっても、どこまでが普通でどこからが腋臭症という病気になるのか、というのがはっきり決められていません。
においというものが、人それぞれ感じ方が違うし、どのくらいその症状で生活に支障があるか、など色々な問題が含まれてきてなおさらその線引きが難しいものになっています。
「多汗症」とは汗が大量に体から出てきてしまう病気ですが、「多汗症」の人の多くは「腋臭症」も併発しているので、余計に診断を難しくしているのもあります。
日本人は体臭が少ない民族とされていますが、わきがという言葉はいつごろどのようにして生まれたのでしょうか？
文書として残っている資料として一番古いものでは、奈良時代の万葉集の中に「脇草（わきくさ）」として脇の臭いのある人を揶揄するような和歌が残っています。平安時代になって歌語の辞書の中に「わきくそ」「胡臭」などとあってはっきりと人間のわきの臭い人として言葉になっています。
日本最古の医学書である『医心方』という本の中にも「わきくそ」「狐臭」と書いてあるので、どうやらむかしはわきがの事をわきくそ、と行っていたようです。
そのあと「あり香」などと言い方が変わり、「わきの香」「わきのか」となり、江戸時代には「わきが」という文字で表されるようになったようです。
体臭の少ない民族とはいえ、こうして文献が残っている事を考えると、わきがという体臭は昔からあり、香をたいて臭いを防いだり、逆に刺客がわきがであったために相手に気づかれて逃げられた話など、色々困っていた事も分かります。