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2007年04月 アーカイブ

2007年04月01日

脂肪酸のにおいもわきが臭

人間は皮脂腺から体の表面を潤すために分泌物を出していますが、この分泌物が分解されたものがわきが臭になるといわれています。

皮脂腺からの細胞分裂が終わり、排出物になったものが毛根と同じところから分泌されているのですが、このときに周りの細菌と混じり、脂肪酸を作り出してしまいます。
脂肪酸は人間が体内に入れた食事に深く関係していて、脂肪酸もそのにおいになると思ってください。
脂肪酸の種類にはいろいろあり、それぞれが独特のにおいをしています。 
少し例をあげると、

酪酸      バター
カプロン酸   やし油
バルミチン酸  一般動物の油脂
ステアリン酸  牛脂

食物の方のにおいを想像すると、独特なにおいがあるのがわかるのではないでしょうか。これらの脂肪酸と汗や細菌が交じり合ってわきがのにおいが作られていくのです。

脂肪酸の融点はステアリン酸の71℃を最高に、殆どが体温や気温より低い温度で溶けていきます。ですので、本当に寒い以外はわきの下の温度で溶けてしまうものなので、とめることが出来ません。

2007年04月02日

わきがは体臭です

人間は一人一人顔が違うように、その人ごとに特別なにおいを発しています。動物が相手を求める時にフェロモンというものを出しますが、人間も生き物である事に変わりはないので、においを出しているのです。これを体臭といいます。

ところがにおいというのはやっかいで、人がどう感じるかによって臭いと判断されてしまうものなのです。
体臭の中でもっとも強烈なにおいをだしているのが、わきの下になり人によってはそのにおいが臭いと判別されてしまう、これがわきが臭といわれているものです。

外国、特に欧米などは食生活や民族性もあり、殆どの人が独特の体臭を放っています。体臭は強くて当然わきが臭もあって当たり前、という風に考えられています。
ですから「わきが」という病気そのものが存在しません。

一方日本人は本来の体臭が殆ど感じられない民族なので、わきが臭がにおってくるとその独特なにおいのために特別視されるようになってしまいます。わきがのにおいは他人にはもちろん、自分でも感じる事ができるので、他の人とは違う=「わきが」という病気 ということになります。

2007年04月04日

わきがはいつの季節におこるか

わきがははじめから強いにおいを発するものではなく、だんだんと強くなってきて気づくものです。
汗の分泌物が多くなる夏にやはり気づくことが一番多いようです。

ところが夏は全身から汗をだすので、わきがとは気づかないで加齢臭や単に汗臭いと思ってしまう人もいるかもしれません。

次に高温多湿で皮脂腺からでる脂肪酸が溶け出すのが早くなる梅雨時などが続きます。
けれども、今は冬の寒い時は暖房設備がしっかりしているので、意外と汗をかく機会が多く、冬の場合はわきの下のみに汗をかいたりするので、最初に気づくのが冬の時期という人もいます。

また、精神的な影響も大きく作用するのが汗腺なので、こういった場合は暑くて汗をかいているわけではないので、結局は一年中いつでも季節に関係なくでることがあります。

2007年04月05日

電気分解法・凝固法

電気分解法・凝固法というのは、わき毛1本1本に電気を通し焼いていくものです。

けれどもわき毛は片方だけでも約400本ほどありますので、それを1本ずつ処理するのは並大抵ではありません。
しかもこの方法は、1度で済まない事が多いのです。なぜなら毛が再生しないくらいまで処理しようとすると、やけどを起こす可能性があり、そのためには一定の期間をおいて処理しなければならないからです。また皮膚がプツプツとなってしまうことも多いです。

手術をしない方法とはいいますが、人によってはかなりの痛みを生じることもあります。
医師の技術も相当必要になってきますし、経済的なものもかなりかかると思ってください。

わき毛がなくなることでわきがの臭いは軽減されますが、わき毛は再生してくるものですし、臭いが完全に消えるものではないようです。

2007年04月06日

ボトックス注入法

ボトックスというたんぱく質の一種をわきの下に注入します。
元は顔面神経痛などの治療に用いられているもので、交感神経の働きを低下させる、という作用があります。交感神経からの命令がなければ、アポクリン腺やエクリン腺の汗腺から汗がでないので、わきが臭が出ないというわけです。

しかし、汗腺を取り除いているわけではないので、その作用が永久に続くわけではありません。1回のボトックス注入で早い人で3ヶ月、長くても6ヶ月ほどすると、効果がなくなってきてしまいます。個人差もありますが、最長でも1年くらいの効果しかありません。

また、胎児に影響があるかどうかの結果がでていないので、妊娠を希望している人はオススメできません。

ボトックスの注入そのものは簡単で、麻酔の必要もなく時間も殆どかからないので、気軽に出来る方法とは言えます。

2007年04月07日

レーザー治療法

もともとは、わき毛の永久脱毛から生まれた治療法です。
ですので、病院の治療というよりも美容外科の行う治療法という事になります。ですから、保険治療にはならなく、費用がかかることが難点です。

レーザーでわき毛の毛包を焼いて毛を生えなくするのが、わきが臭を少なくする方法のひとつですが、これだけでは汗腺が残るために、根本的な治療とは終えません。

レーザーでアポクリン腺やエクリン腺の汗腺まで焼いて、永久脱毛をするとともにわきがの治療をするという方法も出てきましたが、まだまだ開発途中なので、効果の程はわかりません。あまり強いレーザーをあてると皮膚に黒ずみがでたりすることもあります。

他の治療法と組み合わせて使うのがいい利用方法ではないでしょうか。

2007年04月08日

イオントフォレーゼ法

ホルマリン水溶液などをガーゼに浸したものを電極に巻いて、わきの下に電気を通します。
アポクリン腺の出口を破壊してアポクリン腺からの汗が出ないようにするのが目的です。

しかし、深く焼きすぎてしまうとやけどの症状が出てきたり、皮膚が黒ずんでしまう事もあるようです。
アポクリン腺の出口を破壊すれば確かにアポクリン腺からのべたついた汗が出なくなりますが、やっかいなことにアポクリン腺というのは割と簡単に再生をしてしまいます。
一時的な消臭の効果はあるかもしれませんが、もう1つの汗腺であるエクリン腺を残しているので、汗が出なくなると言う事ではありません。

多汗症を伴っている人には汗を止めると言う効果はほとんどないといっていいでしょう。

2007年04月09日

薬剤療法

まずはこれが一般的な方法です。
制汗作用があるものとにおいを抑える作用のあるものとに分かれます。みなさんも良く知っているスプレー式で汗を抑えたり、わきの下に塗ってにおいを抑えたりするものです。コマーシャルなどでも流れているものがそうです。

汗を抑える作用のものには、アルミニウム化合物や塩化第二鉄などが含まれています。
においをおさえる作用のものには、過酸化亜鉛やヘキサミンといったものが含まれています。

昔からわきがの臭い取りにはみょうばんが使われていて、10%溶液をわきの下に湿布しておくと軽いわきが臭ならば何日かはなくなる、といわれています。
病院でも、市販のものに含まれているものを調合したものを出してくれます。精神的な多汗症の場合には、精神安定剤の内服薬を出す病院もあります。

スプレーや塗り薬をする前にわき毛を無くして細菌の繁殖を無くすのはもちろんです。また、汗をかくと薬剤は流れてしまい作用が薄れてしまうので、定期的に付け直さなければなりません。


いずれにしても、多汗症やわきがを根本的になくすものではなく、軽減するためのものと思って下さい。

2007年04月10日

内服薬

わきがの臭いに悩みすぎて神経質になってしまう人もいます。
そうした人には精神安定剤(トランキライザーなど)を服用する人もいます。

もちろんこれも一時的にしか過ぎませんが、深く悩んでしまっている人はまず神経の高ぶりで汗が出てこないようにしなければ、いつまでも臭いは取れていかないものなのです。

多汗症の症状が特に激しい時に限りますが、精神安定剤と自律神経遮断剤を処方することもあります。しかしこれも長期の服用はお勧めできませんし、これらの内服薬は眠気をもよおすものが多いので注意が必要になります。

あまり深く悩みすぎてわきが心身症になるひとも増えています。そうなるとわきがの治療どころでなく、心の健康も考えなくてはならなくなるので、できるだけ薬の服用は避けたいところではあります。

2007年04月11日

職場の制服が着れない

私はホテルの仕事をしています。そんなに大きいところではありませんが、各セクションごとに制服を着ます。

今私が所属してるのがルームサービスを主とする接客業です。

中学の頃から自分がわきがだと自覚して、制汗スプレーをしてみたり、服も綿系統の汗を吸収しやすいものを選んで着ていたので人から臭いを指摘された事はありませんでした。
今の職場の制服のブラウスにポリエステルを着る様になってから、臭いがすごくなってきました。自分でもかなりの臭いだと思えます。

職場の同僚は気づいていると思います。私が休憩をしている間は同じ部屋の人はタバコをずっと吸っていたり、そそくさと出て行く人もいます。休憩が終わり、部屋を出ると窓を開ける音を聞いたことも何度もあります。聞いてくれればいいんですけど、私に気を使ってか悪いと思うのか誰もわきがなの?とは聞いてくれません。

この間、ルームサービスに朝食を運んだ時の事です。
家族の宿泊客だったので、大人2人と子供2人分の朝食をワゴンで運びました。部屋に入りテーブルに食事を並べているときに、子供2人が「クセークセー」と明らかに私の方を見て言っていました。両親は一応注意をしていましたが、苦笑いのみで否定はしていませんでした。

あまりのショックに部屋を逃げるように出て行ってしまいました。接客業としては最低の事です。
衣類がポリエステルだというだけで、こんなにも臭うのは何故なんでしょうか? それでなくてもわきがなのを知られたくないと思うだけで汗が出て来てしまい、抑えようと思えば思うほど出てきてしまい、わきの下はいつもビショビショ状態です。

自分だけ違う制服を着るわけにはいかず、本当に困っています。

2007年04月12日

すそわきがを治したい

わたしはわきの下のわきがはそんなに臭わない方だと思うのですが、すそわきががすごいです。
自分でも顔を背けたくなるほどの臭いがします。

緊張したり性的に興奮すると強くなるのが一番困ります。

大学時代に付き合った彼と初めてお泊りしたときに、一緒にお風呂に入ってベットに入ったのですが、彼の顔がだんだん下に行くのが気が気ではありませんでした。そういう不安があったりしたのもあったと思います。

彼の顔が股間に近づいた時、「うっ」という声を出しながら彼が飛び起きました。そして電気を点けられてまじまじと見られてしまいました。

それから彼は不能になってしまい、その一件の後すぐに別れてしまいました。
もう2度とこんな思いをするのは嫌だと言う思いから、ずっと男の人を避ける様になってしまいました。この出来事の後も何回か告白されたり、誘われたりしたのですが、また相手に不快な思いをさせてしまうのではないかと不安で付き合うことは出来ませんでした。

わきがも人に言えないことですが、外に出ている分治療も対処の仕方もたくさんあるし、すそわきがに比べたら悩みなんて何百分の一もないくらいです。
においがもれるのではないかと肌に密着したものをはいているので、蒸れて余計に悪くなってきた気がします。

2007年04月13日

彼のわきがを治したい

私には付き合って1年ほどになる彼氏がいます。付き合い始めた時から彼のわきの下が何となくにおうのに気づいていましたが、最初の頃はまだ深い付き合いをしていなかったし、お互いの家を行き来するようになってからも、寝る前にはお風呂に入っていたので我慢が出来ないほどではありませんでした。

その彼が職場が変わり、新しい仕事についてから急にわきがのにおいが強くなってきました。自分なりに調べてみると、わきがは環境の変化や仕事のストレスなどで急ににおいが強くなると書いてあったので、おそらく彼もそうなんだと思います。

私の友達カップルと食事をしたり、飲みにいったりすることが何回かあったのですが、その時に必ず「彼ってわきが?よく我慢できるね」などと言われてしまうようにもなってしまいました。

彼の実家に遊びに行ったときも、何となく同じ臭いがすると思ったら、彼のお母さんがわきがだったようです。

本人たちは別に気にする様子もなく、嗅覚が麻痺しているのではないかと私は思ってます。
彼にそれとなく「臭わない?」と聞いてみたこともあるのですが、本人は全然自覚がないようでかえって失礼だと叱られました。

わきがのことだけで別れたくはありません。でもこの先もしも結婚するとして子供に遺伝するようであれば、早くに気づいてあげたいと思うし、そもそもまず彼が本当にわきがなのか、という根本的な事も知りたいと思っていますが、どうしたらいいのか分かりません。

2007年04月14日

わきがでいじめられた

私の両親は2人ともわきがです。小さいときは父のにおいが好きで、これがうちのにおいなんだと思って過ごしていました。

小学校に入って、友達が私を見てヒソヒソやるようになりました。その時は理解できなかったのですが、後からうちの家族はくさい、家中変なにおいで充満している とうわさになっていたのを知りました。3つ上に兄がいてその時はもう中学に行っていましたが、小学校の高学年頃からかなりにおいの事でいじめられたようです。兄と同級生に弟や妹がわたしと同じ学年だったりして、いつの間にかみんなに知られるようになったみたいです。

私自身はその時はわきがではなかったし、おそらく臭いにも鈍感になっていたのかもしれません。私自身は中学生になってからわきがのにおいがし始めたようですが自分ではなく周りの反応を見て知りました。

いじめにあったのは中学に入ってからです。朝学校に行くと私の机だけが離して置いてあったり、ちょっとでも近づくと「臭い」と鼻をつままれたり、ひどいときにはほんの少し手が触れただけでも「ギャー!」と言いながら手を洗いに行かれてしまったりしていました。

両親に相談して母が先生に言ってくれたみたいで、それからはあからさまな言葉とかはなくなりましたが、その頃にはもう私の方が気になるようになってしまい、ちょっとヒソヒソされると自分のことを言っているのかと勘繰ってみたり、窓を開けるしぐさを見るだけで私のわきがが教室中にこもっているんだ、などと被害妄想のような状態でした。

両親も心配したようで、高校は地元の子が行かない遠い私立の女子高に行くことになりました。
女子高だったのが幸いしたのか友達に恵まれたのか、私のわきがのことをハッキリと言ってくれて、私も人からどれぐらいの臭いがするのか聞けるようになって、だんだんとわきがノイローゼ状態から抜け出す事が出来ました。

今は手術をしてにおいはありませんが、自分の子供に遺伝する事を考えると結婚をためらってしまう自分がいます。

2007年04月15日

お見合いを断られた

会社の上司から、いい人がいるから紹介するよとしつこく言われしぶしぶお見合いをしました。

わたしは中学に入ったくらいからわきがに悩まされています。最初は友達からの指摘でした。バスケ部だったのですが、とても臭うと言われショックを受けて母親に相談したのですが、「お父さんもそうだからだよ」と簡単にあしらわれてしまい、それからずっと臭いを隠す努力をしてきました。

今の会社も朝行ったらまずトイレでわきの下をアルコールの入ったウエットティッシュでゴシゴシ拭い、汗止めクリームを塗ってさらに制汗スプレーを吹き付けます。それを多い時は1時間ごとにやっているので、会社の人は分からないかもしれません。分からないように努力をしているのもありますから。
会社の上司もその時はわたしがわきがだとは気づいていなかったと思います。
それでもお見合いは向こうの人の趣味とか考えている事が割と良かったので、私としてはお見合いも悪くないかな、と思えるほどでした。

ところが、一向にそこから話が進みません。しばらくして上司が「あの話はなかったことにしてくれ」と言ってきました。
理由を聞くとやはりわきがが我慢できないという理由でした。

当日は、お見合いという慣れない事への緊張と、わきがが臭ってこないかと言う事で頭がいっぱいでした。
結局どんなに努力をしてもわきがなのは隠しておく事はできないし、本当のことが言えない私に責任があるのかもしれません。

なりたくてなったわけではないのに、一生このままの状態が続くと思うとやり切れません。

2007年04月16日

皮膚吸引法

もともとは美容外科で腹部や二の腕の脂肪吸引方法として考え出されたものを、わきがの治療に応用したものです。

わきの下にある皮下組織を小さな穴をあけカニューレという機械を差し入れて吸引していく手術方法です。確かに皮下組織を吸引することはできますが、わきがの元になるアポクリン腺はその下の真皮に近いところにあり、エクリン腺は真皮の組織の中にあるので、なかなか全てを取りきることは難しいようです。

上手く取る事ができる技術があれば有効なものかもしれませんが、あえてこの手術方法を取り入れている病院はなかなかないと思います。手術をするのならば美容外科のみ、と考えてもいいようです。
また、超音波をあてて、汗腺の組織を破壊してからその後吸引する、といった方法も取られていますが、一種のやけどを起こさせるのと同じ原理なので、皮膚の組織全体が死んでしまい、見た目にも黒ずんでしまう事もあるようです。

2007年04月17日

剪除法

剪除法とは、わきの下をクーパというハサミを使って皮膚を薄く切ってアポクリン腺、エクリン腺を含んだ皮下組織を切り取ってしまう方法です。

方法としては、わきの下の皴に合わせてクーパで切り、皮膚をひっくりかえしてわきがの元となるものを切り取っていきます。
比較的簡単な手術なので、美容整形外科などで多く用いられている手術方法です。
わきがの治療としてはかなり有効な手術といえます。

しかし、わきの下をハサミで切るということは、それだけ傷跡も大きく残るということになってしまいます。1本1本切っていくので時間がかかるのと、
皮膚をハサミで切ったところから皮下組織を露出させて切り取るときに、切り過ぎると皮膚を損なってしまうし、逆に切り取るのが不十分だと脇がの元の汗腺・皮脂腺などが残ってしまいます。
大きな傷跡を残しているのにわきがはあまり改善されない、といった事例も多くあるので、熟練した技術を持った人に手術してもらわなければなりません。

2007年04月18日

切除法

切除法は、今までで一番多く行われてきた手術法です。
わき毛の部分の皮膚を紡錘形に切除してしまう方法で、このときにアポクリン腺やエクリン腺を除去してそのあとに皮膚を縫い合わせます。
わきがを治すには、まぁ有効な手段とはいえると思います。

但し、わき毛のある部分を取ってしまうので、わき毛はもちろんなくなり丸坊主になってしまいます。そのうえさらに皮膚を縫い合わせるので、大きな傷跡が残ってしまい、わきがの手術をしたことが他人に分かってしまいます。色々な切り取り方が研究されていますが、大きく取りすぎると皮膚が引きつれをおこしたり、むりに縫い縮めると血管を圧迫してむくみが起きたりしてしまいます。それを防ごうと小さくすると、今度は汗腺や皮脂腺が残ってしまいます。
またしっかり止血をする目的と傷口が開かないようにするためにギプスをしたりしなければならないので、少なくとも2週間の安静が必要となります。

2007年04月19日

削除法

わきの下を1センチほど切り、そこからカミソリとローラー状になっているハサミのような機械を差し入れて、皮下組織にあるアポクリン腺やわき毛、エクリン腺を取ってしまう手術方法です。ちょうど、カンナで削り取るようなイメージを想像すると分かりやすいかと思います。

外側の皮膚にはダメージが少なく手術後は他のものに比べたらあまり目立ちませんし、汗腺を削り取ってしまえば、再生しないので多汗症もわきがも症状もなくなっていきます。

しかし、手探りで削り取っていくので手術には熟練の技が必要ですし、かなり深くまで削り取っていくので、手術後の皮膚組織の再生が遅い、といったことも考えられます。わきが・多汗症には有効な手術方法ですが、気軽にすぐできる、とまではいかないと思います。場合によっては入院して安静していないと、皮膚組織の再生が遅くなるからです。

2007年04月20日

そうは法

皮膚をメスで切ると傷跡が残る、なんとか傷を小さく出来ないものか、といったことからこのそうは法が生まれました。

わきの下に小さな切れ込みを入れて、そこからキューレットと呼ばれるスプーンのような形をしたものを差し込み、これで皮下組織にあるアポクリン腺などを掻き出すといった手術方法です。
手探りで汗腺を取り出すので、大変な技術が入ります。深くこそぎとってしまうと、周りの関係ない組織を痛めてしまうし、反対に浅すぎると汗腺などがしっかり取りきれずそうするとわきがが完治した、とはとてもいえなくなります。

また、掻き出す、こそぎ取るという事は、皮膚の組織がでこぼこになってしまうので、手術後の回復が遅い、といった難点もあります。

2007年04月21日

外用薬

外用薬
多汗症を抑えるのに塩化アルミニウムの塗り薬を使う方法です。
塩化アルミニウム溶液は医師の処方箋がなくても一般の薬局で購入する事も出来ます。
オドレミン液、テノール液などという名称で販売されています。
塩化アルミニウムはスポーツ飲料水などにも含まれていてそれ自体は全くの無害です。
使い方は、汗をかいていないときに手のひらや顔面などに塗ります。あせをかいていないときに塗ると汗を抑えてくれるという作用があります。
汗をかいてしまっているところに使っても効果はありません。
副作用はほとんどないようですが、念のために1日1回就寝前に使用する場合が多いようです。
気軽に出来る治療法ですが、ひどい多汗症の人には効果が期待できないかもしれません。

内服薬

内服薬
多汗症は精神的なものが大きく左右されることがあるので、内服薬が効果的なことがあります。
主なものは抗コリン製剤や向精神薬、また自律神経調整剤などを服用する事が多いです。
抗コリン製剤や向精神薬は、交感神経の働きを抑える作用が期待でき、汗の発生を抑えてくれます。
自律神経を調整する薬は、汗を出にくくするのではなく、自分ではどうしようもない汗の発生原因である自律神経の働きを元に戻すための薬になります。
多汗症に使われる主な薬は、プロ・バンサイン(抗コリン剤)、マイナートランキライザー(抗不安薬)、トフィソバム(自律神経調整剤)
などです。
汗を抑えてくれる薬など、多汗症の効果は期待できますが、やはり薬を飲んでいるので副作用がでてきてしまうことがあります。
一般的なものでは、胃腸の機能が弱まる、眠くなる、のどが渇くなどの副作用が多いようです。
ですから長く続けて飲むというよりも、急性の症状を抑えるために用いられる事が多いです。
同じような作用がある漢方薬を服用している人も最近は増えてきたようですね。

2007年04月22日

イオン浸透療法

イオン浸透療法
イオン浸透療法とは、薬剤液の中に手を浸し、弱い電流を流す事によりエクリン腺から出る汗を抑えるという治療方法です。
簡単に言うと汗はナトリウムイオンと塩素イオンが移動することによって発生するのですが、薬剤の中に電気を通し、水素イオンを作り、ナトリウムイオンと塩素イオンが互いに移動しないように壁を作り阻止する事によって、汗を出なくさせることができます。
エクリン腺からの汗が出なければ、多汗はかなり軽減されますが、薬剤の持続率が低く、何度も繰り返してやらなければならないことと、電気を通している間、人によりますが痛みを感じることがあります。
また、全身のどこにでも使えるわけではないので手のひら多汗症や部位多汗症には効きますが、全身多汗症にはあまり効果がないかもしれません。

ボトックス注入法

ボトックス注入法
ボトックスというたんぱく質の一種をわきの下に注入します。元は顔面神経痛などの治療に用いられているもので、交感神経の働きを低下させる、という作用があります。交感神経からの命令がなければ、アポクリン腺やエクリン腺の汗腺から汗がでないので、多汗症の治療に用いられます。
しかし、汗腺を取り除いているわけではないので、その作用が永久に続くわけではありません。1回のボトックス注入で早い人で3ヶ月、長くても6ヶ月ほどすると、効果がなくなってきてしまいます。個人差もありますが、最長でも1年くらいの効果しかありません。
また、胎児に影響があるかどうかの結果がでていないので、妊娠を希望している人はオススメできません。
ボトックスの注入そのものは簡単で、麻酔の必要もなく時間も殆どかからないので、気軽に出来る方法とは言えます。

交感神経切除法

交感神経切除法
胸にある交感神経を切除してしまう方法です。手術をする方法となります。
手のひらや顔面などの汗を出すように命令するのが、この胸部交感神経なので、ここを切除してしまえば直ちに汗は止まります。わきの下に関してもかなりの効果が期待できるようです。
手術そのものはあまり難しくないのですが、上半身の交感神経を遮断してしまうので、手術後は汗が出口を求めて今までそれほどには汗がでていなかったところから汗が出てくるようになってしまう場合もあります。コレを代償性発汗といい、下半身の例えばひざの裏やお腹、太ももやおしりなどが汗をかいてしまうのです。手術をする場合には、こういった症状を最低限にするためになるべく切除する部分を少なくして、負担を避けてもらわなければなりません。技術介入が大変に大きい手術とはいえます。

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